Rabbit Blue

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てのひら




 手を握る。
 銃を扱うその手は厚く、硬い。指も細いようでいて、太かった。
 この手で悪魔を祓い、それでも悪魔である自分を慈しむ。
 この手に守られている。
 それが嬉しいようで、悔しくもあった。
 ひとつひとつ確かめるようになぞれば、兄さん?と少し困ったような声が聞こえる。
「何してるの?」
「いや、お前の手、好きだな、と思って」
 指先にそっと唇を寄せる。
 ぴくと僅かに反応する雪男が嬉しくて、そのままぺろりと舌を這わせた。
 チロチロと舌先でくすぐり、吸い付く。
 かふ、と軽く歯を立て、ちらりと雪男に視線を向けると、眼鏡の奥の瞳が欲に濡れていた。
 ニッ、と口角を持ち上げると、唇が塞がれる。
「煽った責任はとってよ」
 僅かに唇を離し、囁く雪男に望むところだ、と自ら口付けた。