Rabbit Blue

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「奥村くんて、俺だけに冷たない?」
「そうかー?」
 読んでいる雑誌に視線を向けたまま、燐は答える。
「ほら、そうやって、俺の方向いてくれへんやん!
 まぁ、俺にだけ、ってなんや特別な感じがしてええんやけど」
「どっちだよ……。本当におめでたいヤツだな、お前」
「そやかて特別っちゅーんは事実やろ、燐」
 雑誌から顔を上げ、呆れたような瞳を向ける燐の肩を抱き寄せ、廉造は耳元でそっと囁いた。
「……っ! 耳元でそのエロイ声やめろ!」
 寄せられた顔をぐいっと押しやり、告げると、押さえた手に舌が這わされる。
「ひぁ……っ」
「エロイ声いうんは、燐の方やと思うんやけどな」
 反射的に離れた手を掴み、軽く歯を立てれば、燐の身体がぴくりと身体が震えた。
「もっと聞かせてや」
 にぃ、と口角を持ち上げ、そう告げると廉造は唇を重ねるのだった。