Rabbit Blue

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キス





「兄さん、」
 ぐっと腕を掴んで引き寄せる。
 バランスを崩した兄さんが文句をいう前に、その唇を塞いだ。
 薄く開いていた唇に吸い付き、奥に潜まる舌に舌を絡める。
「んぅっ」
 びくりと跳ねる身体を抱き締めて、絡めた舌に歯を立てた。
 角度を変えては思う存分に口内を貪る。
 口端から伝う唾液を舐めとり、そのまま首筋に舌を這わすと、ぎゅっと服を握 りこまれた。
 頬を撫で、目尻にも口付けを落とす。

「いきなり、なにすんだ…」
 乱れた呼吸を整えて、潤んだ瞳で睨み付けられる。そんなの、逆に煽るだけだ ってなんで気付かないんだろう。
「今日はキスの日らしいから。もしかして、キスだけじゃ物足りない?」
 ニコリと笑みを浮かべれば、兄さんの顔が一気に赤くなる。
「ばっ…! なに言ってんだ、このエロメガネ!」
 ふいっと顔を反らす兄さんに、思わず笑みがこぼれた。


「雪男!」
 なに?と聞き返そうとした唇に触れる柔らかな感触。
 一瞬だったが、それは確実に兄さんの唇で。
 兄さん、マジ可愛すぎるだろ。