Rabbit Blue

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秘め事




※ピクシブでは挿絵つきでUPしてます。


 ちゅ、

 静かな室内にリップ音がやけに響く。
 そっと顔を上げて、変らず小さな寝息を立てる燐に雪男はもう一度口付けた。
 柔らかな唇に舌を這わせて、下唇に歯を立てる。
 ん、と僅かに反応する燐に、そのまま口内を貪りたくなるが、そんなことをすればさすがに起きてしまうだろう。
 名残惜しそうに唇を離すと、自分の唾液で濡れた燐の唇を指で拭って雪男は自分のベッドに潜り込んだ。


 雪男がベッドに潜り込んで暫く経った頃、燐は雪男に背を向けるように寝返りをうつ。
 ぱちりと目を開けて、先程雪男が触れていた唇をなぞる。

 いつからなのかはわからないが、雪男が寝る前に必ず自分に口付けをしているのを知った。
 寝付けなくて、でも起きているのがバレるとうるさいので、寝たふりをしたあの日。
 口付けをされて、相当驚いた。
 あの時、寝たふりを続けられたのは奇跡じゃないかと思う。
 起きているときにはそんな素振りも見せないくせに、寝る前にだけ口付けてくる雪男に戸惑いもした。
 一番戸惑ったのは、そんな雪男の嫌悪感を抱くどころか、嬉しいと思った自分がいたこと。


「起きてる時にしろよな、バカ……」


 そうしたら、自分も――――