Rabbit Blue

design::sein


雪ちゃんと兄さん



※雪男女体化注意





「ったく、兄さんはすぐに散らかす……」
 ごっちゃりとしたベッドの上に、雪男は溜め息をつく。
 丸まった布団を掴んで広げれば、足元にバサリと何かが落ちた。
 足元に視線を落とせば、裸の女性がドーン、と表紙を飾る雑誌で。
 雪男は思わず舌打ちをした。
 何故、こういうものを平気でベッドに放置していくのだろう。
 見るな、とは言わない。言わないが、せめて目に見えないところに隠しておいて欲しかった。
 まるで自分が女として見られていないようで、悲しくなる。
 確かに、背だって平均より高いし、髪も短い。幼い頃から兄を守りたいが故に強くなることを優先してきた。
 女らしさなどないことは雪男自身が理解している。
 胸でもあればまた違ったのかも知れない。だが、栄養は全部身長にまわってしまったのか、胸もささやかなものだ。

「やっぱ、兄さんも大きい方がいいよね……」

「お前、そんなこと気にしてんのか?」
 ぽつりと漏れた言葉に返された言葉に、雪男は驚き、後ろを振り返る。
 一体、いつからそこに居たのだろう。まったく気付かなかった。
「に、兄さん……」
「そりゃ、でっかい方がいいけど、そーゆー問題じゃねぇだろ?」
 雪男の手から雑誌を奪い、ソレを机の上に乗せる。
「胸の大きさなんか気にすんな。お前は今のままでいいんだよ」
 宥めるように、雪男の頭を撫で、燐はゆっくりと雪男の身体を抱きしめた。
「まぁ、どうしても気になるって言うんなら、俺が毎日揉んでやるよ」
 つつ、と背中に指を滑らせながら、そう耳元で囁くと、雪男の身体がビクリと揺れる。
「どうする、雪男」
 ニィ、と口角を持ち上げた燐に雪男は、兄さんのスケベ!と強烈なアッパーを繰り出すのだった。