Rabbit Blue

design::sein


煽り上手




 唇を重ねる。
 思ったよりも柔らかい感触だった。
 チロリとぎゅっと閉じられた唇に舌を這わせる。
 びくりと腕の中の身体が震えた。

 ――可愛らしいなぁ

 廉造はそんなことを思いながら、そっと唇を吸う。
 抵抗がないのをいい事に、戯れのようなキスを仕掛けていると、薄く開いた唇から現れた舌がぺろりと廉造の唇を舐めた。
 されるがままだった燐の突然の行動に驚いて、唇を離せば、頬を真っ赤に染めた燐と視線が合った。
「そないなことしたら、止まらへんよ?」
 頬をそっと撫で、これでも我慢してるんよ、と額に唇を落とす。
 少し視線をさまよわせた後、燐は廉造の肩口に顔を埋め、ぎゅっと服を強く握りこんだ。
「……やめなくて、いい……」
 やっと聞き取れるくらいのボリュームで返ってきた言葉。

 ――あぁ、もう、この子あかん

 廉造は抱きついている燐の肩を押して距離を作ると、噛み付くように口付けた。